日本住宅公団若松二丁目団地
千葉県船橋市若松 公団賃貸・分譲併存 昭和44年入居開始
京葉線南船橋駅の目の前にある総戸数約1900戸の中規模団地です。団地が建設された当時は、京葉線は開通しておらず、最寄りは京成線センター競馬場前駅(現在の船橋競馬場駅)でした。団地ができる数年前までここは海で、昭和40年ごろに若松二丁目を含む一帯の埋め立てが完了。この埋立地には船橋サーキットと船橋ヘルスセンター遊覧飛行機発着場が建設されました。団地建設予定地はサーキットのすぐ東側にあたるため、騒音軽減のための研究が行われ、住棟配置に反映されています。なお、このサーキットはたった2年で閉鎖となり、跡地は船橋オートレース場になっています。昭和52年には、船橋ヘルスセンターも閉園となり、紆余曲折を経て現在は三井不動産の物流センターと北欧家具のIKEAが建っています。
2018年ごろの写真
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こちらが案内図。住棟の配置に注目すると、まず西側(地図の下側)に屏風のように長い住棟があります。こちらがサーキットの騒音を跳ね返す防音壁の役割を果たしています。ちなみにこの住棟は、西側に居室が来ないように配慮された間取りになっています。
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現在、隣接地にIKEAが建っています。IKEA建設後、どういうわけか住棟のカラーリングがIKEA風になっちゃいました。そういえば、新三郷のIKEAに隣接する「みさと団地」でも「北欧心地」と銘打って、外構を北欧風にやりかえてましたっけ。ここまでやるなら、本格的にIKEAとコラボすればいいのに(もうやってたかも。)
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南船橋駅は団地の目と鼻の先。
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(写真は「国土地理院 地図・空中写真閲覧サービス」より引用)
昭和50年ごろの航空写真です。まだ京葉線は開通していません。西側のIKEAがある場所は、この頃「船橋ヘルスセンター」のゴルフ場でした。その後、バブルを象徴する屋内スキー場「ザウス」がここに建設されています。それにしても、周りにほとんど何もないですね。。
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駅ロータリーと団地の間の空き地ももうすぐ開発される予定だそうですよ。
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すっかりIKEAカラーリングに。
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銘板を発見!
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この給水塔もIKEAに合わせたのか?!と思いきや、実は1987年に芸術家クロード・ライール氏に公団が依頼して描かれた作品です。団地が出来た年が月面着陸に成功した年だったことにちなんだそうですよ。詳しくは、給水塔UCさんの
日本給水党(団地給水塔観賞ブログ)を参照してください。
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奇抜ですね!ちなみに団地側から見える面に作品が描かれ、京葉線側は通常の塗装のままです。
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右側の住棟が、前述の防音壁となる高層棟です。
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集会所
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高層棟の一階は商店街です。
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IKEAの南側には高層マンションが建てられ、防音壁の住棟以上に「壁」っぽくなっています。
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集会場の絵もライール氏の作品です。
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本当にこの住棟、長いです。全長なんと400mもあります。なお、線路騒音に課題があった川口芝園団地にもこの手法(防音壁住棟)が継承されています。
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高層棟南端部の広場は、かなり広い。
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高層棟の西側です。サーキット騒音防止のため、開口部がガラス窓で塞がれています。
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住棟前の芝生が広いです。
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味わいのある露店
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何もかもがデカすぎて、頭が混乱してきます。
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ずらずらずらー
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分譲エリアに足を進めましょう。こちらの住棟は、シンプルなカラーリングです。
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分譲エリアは建設当時の雰囲気がよく残っています。桜の木が多いのが特徴です。
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かわいいベンチ
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集会所にも住棟番号
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昔ながらの平和な雰囲気。
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ピロティを抜ける通路
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全体的に日本庭園っぽい。
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賃貸エリアに戻ります。アニマルライドが残っていました。
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こういう空間、大好き。
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設置者が一目でわかるカーブミラー
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こういうあずまやはありがたい。
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ボール遊びができる広場もあります。
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給水塔
2007年ごろの写真
外壁塗装をIKEA風に塗り替える工事の真っ最中の写真です。給水塔には懐かしの住宅・都市整備公団「かもちゃんず」のロゴが付いていました。
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色あせたカモちゃんロゴ
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防音壁棟だけ工事が完了し、奥の棟は工事の真っ最中。
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工事着手前はこのようにシンプルなカラーリングでした。
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海岸沿いの団地は潮風で外壁が傷みやすいと聞きます。
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夕暮れの郵便局
最後までご覧いただきありがとうございました。若松二丁目団地は以上です。(写真全50枚)
(c) 2005 Terui Keita