日本住宅公団あけぼの団地
北海道札幌市南区真駒内曙町 公団賃貸住宅 昭和38年入居開始
全32棟、世帯数1240戸の公団住宅です。第一期入居から最終入居まで、3年かけて徐々に完成しました。あけぼの団地がある札幌市真駒内地区は元々農村地帯でしたが、戦後米軍に接収され、しばらくの間米軍基地になっていました。基地が返還されると北側が自衛隊駐屯地、南側があけぼの団地を含む住宅地として整備されました。
(2022年6月24日更新)

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北海道の団地の管轄は、日本住宅公団東京支所です。都内の団地と同様、メインストリートはカーブを描いており、荻窪団地や久米川団地とよく似ています。

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寒冷地仕様の住棟がゆったりと立ち並んでいます。一部住棟で集約化が予定されています。

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元々三角屋根の色は赤と水色だったようですが、現在はグレーに塗り替えられています。住棟は寒冷地仕様のため、吸排気用煙突がにょきにょき生えています。

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屋根の塗装が剥げてうっすらと元の赤色が見えています。

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寒冷地仕様の住棟は、雪が積もらないよう各階の窓上に庇がありません。

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北海道の団地は積雪を考慮して、通路が大変広く取られています。

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内覧させてもらいました。鍵を受け取り住棟内に立ち入ります。寒冷地仕様のため、階段室もガラス戸でしっかり閉じられています。元々は木製の扉がついていたそうです。

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除雪用のスコップが置いてありました。電気メーターの丸い窓は昭和30年代団地の証拠です。

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階段を上ります。開口部がガラス戸で閉じられているため、大変気密性が高く、各戸の部屋のにおいが強く感じられました。冬季はドアが凍結してしまう恐れがあるため、窓の開放は厳禁です。

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ドアを開けると玄関なのですが、入ってすぐ右側に見慣れぬ引き戸があります。なんとここは「石炭庫」なのだそうです。

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北海道では「寒冷地手当」が支給される会社が数多くありますが、昔は暖房用石炭が現物支給されていたそうです。もらった石炭の保管場所が必要なため各住戸に石炭庫が設置されています。

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押し入れと天袋の位置関係が逆になっていて、押し入れが上の段になっています。

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インターホンの左上あたりに見える丸い蓋がストーブ接続穴で、煙突につながっています。壁にもベランダにもびっしり雪が積もるため、中途半端な排気管では塞がってしまうのでしょう。煙突からしっかり排気しないといけないわけですね。また、部屋のあらゆるところに吸気用煙突につながるガラリが設置されていました。

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窓はアルミサッシの内側にもう一枚木サッシのガラス窓が取り付けられ、二重構造になっています。ダイニングキッチンの換気扇(プロペラファン)は天井の高い位置に取り付けられ、積雪の影響を受けにくくなっています。

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トイレに換気扇はなく、吸排気用のガラリ(?)とガラス窓があります。このガラス窓が繋がる先は、先ほど紹介した密閉性の高い階段室です。開けたままにしておくのはちょっと躊躇われます。

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ベランダの仕切りパネルです。雪が積もった際も突き破りやすいように下が空いています。

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住棟番号はタイル。庇部分にはパネルが貼ってありました。

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各住棟の前には倉庫が設置されています。

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北海道の団地は通路が広いです。

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プレイロット

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21〜29号棟部分の地盤は1段高くなっています。

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ボックス型ポイントハウスの並び

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ポイントハウス北側の窓は少なめ

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駐車場には落雪防止用のフェンスが設置されていました。

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昔ながらのコンクリート遊具が残るプレイロット

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倉庫の扉は木製のままです。

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緑地帯

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積雪のためでしょうか。四阿が壊れて修理中でした。

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白樺並木が北海道らしくて素敵。

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集会所・管理事務所棟

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管理事務所です。

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もう1部屋内覧しました。ボックス型ポイントハウスです。窓が3方向にあり明るいです。

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こちらの部屋も二重の扉です。

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洗面所です。リニューアル対象外のため、洗面所にお湯は来てないんですね。

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昔ながらのバランス釜とスノコ敷の浴室でした。なかなか味わい深いです。

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ボックス型ポイントハウスの石炭庫は玄関とダイニングキッチンの間にありました。

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石炭庫の中です。配管が露出していました。

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寒冷地仕様の部屋がじっくり見られて勉強になりました。あけぼの団地は以上です。(写真全49枚)
(c) 2005 Terui Keita