公団東長居第二団地(ダブルスターハウス)
大阪府大阪市住吉区苅田/日本住宅公団

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ダブルスターハウスと言われるスターハウスの亜種みたいなものがあることをご存知でしょうか(※1)。名前の通りスターハウスを2棟くっつけたような形をしています。公団でダブルスターハウスが採用されたのは、昭和32〜33年入居開始で大阪支社管轄の4団地(※2)のみですので極めて希少価値の高い建物です。九州に公営住宅のダブルスターハウスが数棟現存していることは確認していた(※3)のですが、公団のダブルスターハウスはとっくの昔に絶滅していると思われていました。しかし、建て替えが終わった東長居第二団地に、なんと一棟のみ現存していることが判明。急遽撮影に行くことになりました。もちろんこれが公団の最後のダブルスターハウスになります。

(※1)「スターハウス」は正式名称ですが「ダブルスターハウス」はあくまでもニックネームです。公団の年報には「ポイントハウス」としか書かれていません。ご注意ください。
(※2)昭和32年入居開始の関目第二団地(大阪市)・十条団地(京都市)・久保団地(豊中市)と、昭和33年入居開始の東長居第二団地の4ヶ所でダブルスターハウスが採用されました。
(※3)九州のダブルスターハウスについてはALL-Aさんが詳しいです。以下のエントリーをご覧ください
ALL-A 土取団地
ALL-A 小笹団地


ちなみにある設計事務所のサイト(http://www.kumesekkei.co.jp/w_osakafuruiti.html)にダブルスターハウスの写真が載っています。
(このサイトの写真は誤っていて、サイト内には大阪市営古市団地と書いてありますが、ダブルスターの写真は公団関目第二団地のものです。両団地が近くにあったから間違えたのだと思いますが、貴重な写真なので指摘せずそのまま掲載しっぱなしにしてもらいましょうw)


所在地(大阪府大阪市住吉区苅田1丁目14-1

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スターハウスが2棟連結しているような形状なのが分かるでしょう。
大阪支社管轄内で昭和30年代初期にのみ見られるサンルーム型という点だけでもかなり貴重。


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しかしよく見ると、単純にスターハウスをくっつけたような形かと思いきや、実は端っこのウイング(写真一番手前と一番奥)と南側に突き出ている2つのウイングをなす角の角度がほぼ90度です。なるべく部屋を南向きにしようという配慮でしょうか。

図の1番が単純にスターハウスを連結した形状(九州のダブルスターハウスは主にこの形)
図の2番が写真の公団仕様のスターハウス(左右のウイングと南ウイングの角度がほぼ90度)
図の3番が通常のスターハウスです。こう並べてみると違いは一目瞭然ですよね。





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東長居第二団地が建設されたのは昭和33年のこと。











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北西側から。この角度から見ると一般的な板状住棟に見えます。














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サービルバルコニーが付いていますね。窓の下が一段下がってるのは千里山団地と同じです。














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真南から。アパートに見えません。21世紀でも十分通用するデザインだと思います。