日本住宅公団滝山団地
東京都東久留米市滝山 公団分譲・賃貸併存 昭和43年入居開始
西武新宿線花小金井駅からバスで15分ほど北上した先にあるマンモス団地です。このあたりでは珍しく分譲が主体で、大型の住戸が多数を占めています。エリア全体に歩行者専用道路が整備され、日本都市計画学会石川奨励賞を受賞するなど理想的な計画都市として人気を集めました。2001年ごろまで団地中央の商店街には三越があり、大変な賑わいを見せておりました。その後、イトーヨーカドーが撤退するなど「団地が衰退してるのでは?」と心配された時期がありましたが、実際のところはそうでもないようです。団地のコスパの高さに魅せられ中古物件をリノベーションしてお住まいになっている方が多く見受けられ、令和2年にはイトーヨーカドー跡地に新しいスーパーマーケットがオープンしました。
ところで、この「滝山」という地名ですが、実を言うと、八王子市滝山から事実上輸入されたものなのだそうです。明治の地租改正で地名が付け直される時、この辺りに八王子市の滝山城に通ずる道があることから「大字前沢字滝山道」と名付けられ、それが現在の滝山団地の名前に採用されたわけです。地名が遠くから引っ越してきたみたいで面白いですね。
※書籍「ふしぎ地名巡り(ちくま文庫)」今尾恵介著 参照
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国土地理院「地図・空中写真閲覧サービス」より引用。団地の真ん中を縦断しているのが新小金井街道です。真ん中あたりが賃貸の1街区で総戸数1060戸、西側が分譲の2街区と3街区で総戸数1400戸、東側が分譲の「滝山第二団地」で総戸数720戸です。
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書籍「少年の科学・新しい都市づくり(鹿島出版会)」より引用。滝山団地の概念図です。東西道路のバスベイから南北の歩行者専用道路が伸びており、完全な歩車分離が図られています。この歩行者専用道路は、団地の外まで伸びておりますが、これは日本初の試みだったそうです。
滝山団地2街区・3街区(分譲エリア)
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滝山団地内にはコンクリート製のレトロな遊具が数多く残っています。
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樹木が大きく育ち、成熟した街並みを見せてくれます。
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当時としては大型の住戸が多く、団地の妻面の幅がかなりあります。
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滑り台のトンネルは、うっかりすると頭をぶつける高さなので要注意。
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庇の切れ目はダストシュート撤去跡
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これだけの大型のコンクリート製遊具が多数残っているのは、なかなか珍しいです。子供たちに大人気なようで、ちびっ子たちが鬼ごっこを楽しんでいました。
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素敵ですね。
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遊園地のコーヒーカップ風の遊具も。
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分譲団地のいいところは、街路や遊具などがオリジナルに近い形で存在しているところです。URが管理する賃貸団地では、各地で順次進めている「団環事業」で撤去されてしまうことが多く、自治会などがよほど強く要望しない限りプラスチック製遊具に置き換えられてしまいます。小平のUFO公園や、百草のアポロ広場、神代の投擲板などオリジナル遊具が残っている団地は、結構レア。
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遊園地みたいですね。
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2・3街区の特筆すべき点が、修繕積立金を使って「団地を団地として」適正に管理しているところ。都内の分譲団地では、将来の建て替えを見越して修繕積立金を投資的に使用することはそう多く無いのですが、この団地は平成後期にバイク置き場の新設、プレイロットの改修など団地の魅力向上に向けて多額の予算を割いてきました。このターザンロープは後から新設されたものですが、こんな豪華な遊具がある団地は他に見たことがないです。
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松の木がいい味を出してます。
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集会所
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バスベイから伸びる歩行者専用道路の入り口
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歩行者専用道路の戸建てエリア側は、こんな感じ。
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滝山団地を含む「久留米土地区画整理事業」の調整池として整備された白山公園です。東久留米市は湧き水が豊富なことで有名ですが、雨が多い年はこの公園の地面からプクプクと水が湧いてきてスポーツ利用が不可となります。
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この色の西武バスが見られるのもあと少し。
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芝生が美しいのは分譲住宅の印。
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URのマークみたいなオブジェ
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南北の歩行者専用道路
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緑がもこもこで散歩がきもちいい。
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この棟だけ、公務員住宅みたいなデザインでした。
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いい芝生。
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団地中央の交番
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団地の端っこには、西武バス滝山営業所があり、大量のバスが花小金井駅や武蔵小金井駅方面に出ています。
団地センター
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レオカラーの3色。西武はこれでなくちゃ。
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団地中央に「滝山中央名店会」があります。UR管理ではなく、民営のビルにテナントが入居する形になっています。
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かつて商店街に「三越」なんかもあり、地域の核として大変賑わっていました。現在もスーパーヤマザキが地域の買い物場所として愛されています。
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近隣に西友やヤオコーなどロードサイド型の店舗が多数オープンしましたが、ご覧の通り現在も地域の拠点として頑張っています。
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懐かしい系のブティックとたこ焼き屋
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夏祭りの風景。すごい人の数!
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提灯は、賃貸エリアまでぶら下がっていました。
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団地を東西に貫くバス通り「滝山中央通り」
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滝山営業所からこの通りを抜けて各駅に大量のバスが運行されています。
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新小金井街道です。近くの新青梅街道と同じ幅員18m4車線道路として開通しましたが、平成初期に、歩道を拡幅し2車線の道路に改修されました。歩道の街路樹が変な位置に植えられているのはその名残。
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滝山団地中央交差点の所にあったイトーヨーカドー滝山店です。現在は、ヤオコーになっています。
滝山団地1街区(UR賃貸エリア)
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商店街から一番近いエリアが賃貸になっています。
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UR都市機構のロゴが。
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団環事業で、かなり明るい印象に。
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分譲棟に比べて、賃貸棟は妻面の幅が狭いのがわかりますね。
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