UR都市機構 集合住宅歴史館

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集合住宅歴史館は八高線北八王子駅の近くにあるURの都市住宅技術研究所内にある施設で、同潤会代官山アパートや晴海高層アパート・蓮根団地・多摩平団地などの室内を移築復元したものが展示されています。他にも玄関のドアやトイレ・台所の時代ごとの移り変わりや、日本住宅公団の入居者募集パンフレットなど貴重なものを沢山見ることが出来ます。申し込めばいつでも入れてもらえるようですが、毎年1回、予約無しで入れる一般公開をやっています。団地好きなら一度行ってみるといいでしょう。

関連リンク[都市住宅技術研究所]:http://www.ur-net.go.jp/rd/

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まずは公団蓮根団地(昭和32年入居開始)からご紹介しましょう。
現在は建て替えられて「新蓮根団地」になってます。公団誕生時の代表的な標準設計「55-4N-2DK」の建物です。


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ベランダの柵がフェンス状。初期の団地の特徴です。







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ダイニングキッチンを狙い通りにつかってもらうために、テーブルは最初から備え付けてありました。
蓮根団地は、大量生産が可能なプレス式「ステンレス流し台」が採用される直前に建設されたため、ジントギの流し台を採用しています。ガスコンロの上の部分がレンジフード風になっていますが、よく見てみると・・・↓




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レンジフードのように見える部分を覗くと、細長い空気穴があるだけで、換気扇はありません。ガス中毒にならないよう窓を頻繁に開けるなどの配慮が必要です。



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南向き6畳の居間。





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木製の小判型浴槽です。当時、内風呂はかなりのぜいたく品。シャワーはまだ無く、体を流すときは浴槽からお湯をすくうのですが、浴槽から出てる煙突の根元の手前にある蓋をあけると、浴槽のお湯とは別の「あがり湯」が温められるようになっており、きれいなお湯が欲しいときはそこからすくえるようになっています。


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お風呂の中にある謎の物体。実をいうとこれは「洗面台」です。顔を洗うときは、桶に水を張ってジャブジャブ洗うのですね。この団地と同じ年に建設された晴海団地などには東洋陶器(いまのTOTO)や伊奈製陶(INAX)の白い陶器の洗面台が採用されていましたから、この蛇口すら無いジントギ製洗面台は、初期の数年間のみの採用だと思われます。それにしても床もスノコが敷いてあって、洗面台にもスノコが敷かれていますし、映画「団地への招待」では台所の流し台にもスノコを敷くように勧めていました…、当時は「水周り=スノコを敷く」というのが普通だったのでしょうかねえ。


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次は東京都日野市の多摩平団地の復元を見てみましょう。



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みんなの憧れの的「テラスハウス」が、ここに再現されています。


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専用庭は、戸建て感覚が楽しめます。