日本住宅公団高根台団地
千葉県船橋市高根台 公団賃貸・分譲併存 昭和36年入居開始
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総戸数4650戸の大規模団地です。新設の「高根公団駅」の東側に300棟あまりの賃貸住宅のほか、分譲住宅、分譲宅地が一斉に開発されました。この団地を設計したのは映画「人生フルーツ」でおなじみ、公団のエースと呼ばれた津端修一氏です。彼が手がけた団地設計は「風土派」と呼ばれていますが、ここはその特徴が最もよく現れた団地ではないでしょうか。
高根台団地は、全面建替事業に伴い平成7年に空家募集が停止され、平成11年より「アートヒル高根台」という高層住宅に順次建て替えられていきました。ところが平成19年に突如全面建替の方針が見直され、未着手だった173〜282号棟の建替中止(募集再開)が発表されました。おかげで、現在も昭和30年代テラスハウスに住むことができる貴重な団地となっています。なお、スターハウスの代わりとして開発された「ボックス型ポイントハウス」は高根台団地のものが公団第1号です。
高根台団地の解説
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団地の外周部には城壁の如く中層フラットを配置し、団地の中と外を明確に区別しています。高台にはテラスハウスを密集させつつ、団地を縦断する4本の道路沿いの斜面地にはポイントハウスを集中配置しています。この配置が生み出す景観が本当に見事なのです。
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さわやかな雰囲気ですね。ゆるやかにカーブする谷筋の道路沿いには、ポイントハウスが連続的に配置されています。ごちゃごちゃしがちなテラスハウスは、ポイントハウスの裏の目立たぬ高台に密集させています。
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公団ボックス型ポイントハウスは、高根台団地が第1号です。スター型(スターハウス)より低コストで建設できるため、ポイントハウスの新たな主役として各地に建設されていきました。このタイプのポイントハウスも昭和44年には原則不採用方針が決まり、以降は高層型が主流となっていきました。
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高原のような爽やかなポイントハウス群とは対照的に、テラスハウス群は下町のように密集して建てられています。メリハリがきいた住棟配置が高根台団地の最大の特徴でした。
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団地の外周部には城壁のごとく中層フラットが配置されています。特に長いこの棟は、駅ロータリーからの視界を受け止める(アイ・ストップと呼ばれる)役割を果たしていました。
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「高根台団地駅」ではなく「高根公団駅」です。団地建設と共に新設された駅です。公団がURに変わっても駅名は変わらず「公団」でちょっと安心。
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駅を出ると広いロータリーと5階建ての中層棟がお出迎え。
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ちょっと進むと下駄履き高層住棟(293号棟)と商店街があります。令和2年現在、商店街は健在ですが293号棟は現存しません。
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ポイントハウスが立ち並ぶ斜面を登りきるとテラスハウス群が見えます。
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テラスハウス群です。ひばりヶ丘や阿佐ヶ谷など初期のテラスハウスは、芝生の中に住棟がゆるーく立ち並んでいましたが、ここ高根台のテラスハウスは建物の間が壁と通路できっちり区切られており、より戸建て感が強くなっています。
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ポイントハウス群とテラスハウス群の間も通路で区切られており、まるで別団地のよう。
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ポイントハウスとテラスハウスの割合が多く、総戸数のわりに住棟の数が異様に多く、住棟番号も3桁です。
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駅前とは別に、団地東側にもちいさな商店街「高根台東ショッピングセンター」があります。令和2年現在も健在です。
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看板
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団地のBig-A率は高いですね。
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ポイントハウスのちょうどおでこの部分に住棟番号がついているのが非常にかっこいいです。荻窪や牟礼のスターハウスを彷彿とさせます。
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芝生の先に見える中層フラット。駅前を除き、基本的に4階建てです。
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高根台団地も木製サッシです。
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こちらが2007年に突如張り出された自治会ニュース号外です。全面建替の方針が一転、一部建替えに変更になりました。ちょうど都市基盤整備公団がUR都市機構に改組されたばかりの出来事でした。
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111号棟!
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テラスハウス群に戻ってきました。通路と壁できっちり仕切られていますね。高原のような雰囲気のポイントハウス群とは別世界です。
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公私の境界を意図的に曖昧にしたテラスハウスは、うまくいけば阿佐ヶ谷住宅にように豊かな空間となりますが、一歩間違えると私物があちこちにはみ出しゴチャゴチャしてきます。その点、高根団団地は壁できっちり仕切られていますので通路部分は非常にさっぱりとしています。
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やきいもと焚き火の会は西集会所の松林にて。楽しそうですね。
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かなり古くから営業されていたという焼き鳥の屋台です。121号棟横でいつも営業していました。この写真を撮影したのが2008年11月でちょうど建替事業真っ盛りの頃。この後、閉店されたそうです。
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屋台
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秋になるとイチョウが綺麗でした。
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団地の中央部にある高根木戸第3号公園にはタコ遊具と恐竜の像があります。(この公園は、市に移管されています。)
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山型の遊具が楽しそうなプレイロットですね。
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集会所は平屋でシンプル。
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高根台団地の南側には、公団分譲の長屋が立ち並んでいます。2戸で1棟です。「セミデタッチド・ハウス」というやつですね。住棟番号が付いているのが公団らしくて良いです!
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セミデタッチド・ハウスは、遠目に見ると普通の戸建てに見えますが、近くで見るとプレス鋼製ドアにスチールサッシなど、団地と共通する部分がたくさん発見できます。
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50年以上経った樹木は住棟の高さを越えています。
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テラスハウスから見たポイントハウス。
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落ち着いた雰囲気だった高根台団地でしたが、令和2年の外壁修繕工事にて、ご覧のような色に塗り替えられてしまいました。
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アバンギャルドなカラーリングでございます。。
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テラスハウスもこんな感じに。。
高根公団駅前エリア
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駅前の住棟は5階建て
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293号棟は1階部分が商店のいわゆる「下駄履き住棟」でした。ピンク色に塗り直されているため新しく見えますが、他の住棟と同様に昭和38年に建設されています。こちらの住棟も既に解体されています。
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293号棟はご覧のとおり巨大でした。
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かもちゃんマーク発見!
テラスハウスの写真
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テラスハウスは窓枠だけでなく、ドアも木製でした。
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あちらこちらに目隠しのブロックが積んでありました。
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ずらずら
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専用庭もブロックで目隠しされています。
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(c) 2005 Terui Keita