主な電電アパート（東京都内）

　電電公社民営化後の呼称である「○○社宅」で表記を統一していますが、民営化以前は「○○アパート」や「○○職員宿舎」「電電○○団地」のように呼ばれていたそうです。

　昭和37年入居開始。民営化前は「花小金井東団地」と呼ばれていたようです。電電アパートの中で最大規模の敷地面積です。北側の入口にはロータリーがあり、南側には名門ゴルフコース「小金井カントリー」が接しています。約6ヘクタール（サッカーフィールド8.5個分）の敷地に22棟の住棟がゆったりと建てられていました。22棟のうち10棟はスターハウスで、小金井カントリー沿いに配置されていました。

　昭和36年入居開始。住棟番号は花小金井東社宅と連番になっています。11棟のうち4棟がスターハウスです。団地の中央にある交差点の名前は「NTT花小金井西団地」でした。社宅から駅に至る道路には商店街が形成されていました。

　昭和44年入居開始。ボックス型ポイントハウス4棟と中層フラット7棟、単身専用棟で構成されています。福利厚生施設が併設されており『青梅橋グランド』と社員用プールがありました。グラウンドでは平成初期まで社員運動会が毎年開催されていました。プールは無料で入ることができ、競技用の深いプールと滑り台付きの子供プールがありました。食堂が併設されており、軽食が食べられる至れり尽くせりの施設でした。

　代官山駅から徒歩5分の一等地の社宅です。航空写真より、1・2・3号棟は昭和30年ごろ、4・5号棟は昭和41年ごろに建設されたものと思われます。1・2・3号棟は、屋上まで階段室が通じています。バルコニーには洗濯用の流し台（洗濯機が普及する前は、ここで洗濯板を使っていた。）が設けられていました。2007年に閉鎖となり、跡地は代官山T-siteの駐車場になっています。

　昭和39〜40年ごろに完成したようです。JR中央線大久保駅から西へ700ｍほど行ったところにありました。「柏木」は、現在の北新宿あたりの旧町名です。4階建て中層フラット3棟とスターハウス3棟のゆとりある住棟配置です。新宿副都心の摩天楼から徒歩圏でありながら、広い芝生を有する夢のような空間でした。2009年9月に閉鎖され、跡地はマンションになっています。

　京王バス中野車庫前にあった総戸数128戸の社宅です。昭和32〜35年頃に建設されたようです。間取りは2D型と3D型の4棟で構成されています。2008年ごろに取り壊され、跡地は中野区立本五ふれあい公園になっています。

　昭和30年代中頃の時期に完成。総戸数182戸です。1〜4号棟が4階建て中層棟で、5〜10は欠番、11〜16号棟が2階建て低層棟です。跡地は練馬区立中村かしわ公園になっています。

　1・2・3号棟は昭和32年ごろ、4・5号棟は昭和39〜40年ごろに完成したようです。杉並区宮前三丁目31-10（現在のシティテラス西荻がある辺り）に建っていました。社宅がまだあった頃、関東バス「宮前三郵便局前」バス停は「電々アパート」 という名前でした。

　有隣病院の南側に隣接する全5棟、総戸数96戸の社宅です。荒玉水道道路の両側に敷地がありました。昭和37年前後に完成しました。2008年に行った際には閉鎖されており、翌年には解体が終わっていました。跡地にはマンションが建っています。

　総戸数48戸。公社祖師谷住宅34号棟の東側の道を挟んで向かい側に建っていました。昭和30年代後半に中層棟1棟と低層棟2棟が建てられ、昭和40年ごろに低層棟がもう1棟追加建設されています。跡地はマンションになっています。

　広大な敷地を持つ総戸数310戸の大規模社宅です。昭和37年ごろに280戸建設され、昭和40年ごろにテニスコートを潰して30戸追加建設されました。中央のだだっ広い広場にはプールや給水塔があったそうです。最寄りのバス停名は「電々アパート前」でした。

　成城学園前駅からバスで5分ほどです。NTT中央研修センタ（旧中央電気通信学園）の東側にあります。標準設計によらない独自設計の社宅で、メゾネット式の高層棟が2棟並んでいます。高層社宅を建てるにあたり『何とかこのよき空き地を東京の端に残してアパートを建てられないだろうか』と地域住民や専門家と協議が行われ、住棟まわりに広大なオープンスペースを有する社宅となりました。

　NTT中央研修センタ（旧中央電気通信学園）の一角に建っていた古い社宅です。昭和30年代中頃に低層棟が完成した後、昭和38年ごろにスターハウスが追加建設されています。外壁の補強用のパネルが貼り付けられ、継ぎ目が目立っていました。

　昭和41年ごろに標準設計に基づく棟（2〜6号棟で旧棟と呼ばれていた）と独身寮が建設され、昭和59年ごろにグラウンド跡地に新設計のプレハブ棟（7〜13号棟で新棟と呼ばれていた）が追加建設されました。1号棟は欠番になっています。その理由を「建ててすぐ壊されたらしい」と都市伝説のように語る人がいましたが、実は1号棟は最初から建設されていません。当時の位置関係から、独身寮が1号棟という考えで付番されたのでしょう。旧棟は平成中期に住民を一時退去させて大規模リフォームを行なったのですが、平成末期に取り壊されてしまいました。

　航空写真を見ると昭和32年から昭和36年の間に建設されたようです。武蔵野市立第四中学校の北側にありました。武蔵野電気通信研究所（現NTT武蔵野研究開発センタ）の最寄りの社宅で、大型住戸を有する3階建て中層棟と2階建低層棟が建っていました。玉川上水を挟んで北側には、練馬関町社宅がありました。

　青梅街道沿いの古い1・2号棟と三鷹通り沿いの3〜12号棟に敷地が分かれています。1・2号棟は昭和30年代中頃、3号棟以降は昭和46年から昭和50年の間に建設されたようです。桜並木が大変綺麗で、7号棟の脇に給水塔が立っていました。

　昭和50年1月完成の独身寮1棟と昭和52年12月完成の中層フラット（3DK）2棟で構成されています。社宅としての用途廃止後、2017年に株式会社リビタがリノベーションし、独身寮はシェアハウスの「シェアプレイス調布多摩川」、中層フラット2棟は国際学生寮「グローバルハウス調布」として生まれ変わりました。